以前、当店のアンテナを移設したときの記事 にアクセスがたくさんあります。
アクセス解析を見てみると、どうやら第一電波の『CPVU8』のワード検索で来られる方が多いようで・・・
多くの方がこのCPVU8のようにコンパクトでより多くのバンドで運用できるアンテナを求めておられる傾向があるんだなぁと思っています。
お問い合わせの中にも、このアンテナ(CPVU8)どうですか と言うようなご質問があります。
これはあくまでもわたし個人の感想ですし、間違ってることもあるかもしれませんので参考までに見てください。
この手のアンテナ(コンパクトで多バンドのアンテナ・CPVU8、CHA-88Bなど)は使用される方の期待度の問題だと思います。
そう言ってしまえば話が終わってしまいますが・・・
まず、VHF、UHFに関しては他のGPと極端に差がないと思いますので今回は無視しますね。
HFのハイバンドは波長が40m(7MHz)や80m(3.5MHz)もあります。
それを全長3m足らずのエレメントでやろうとするのがそもそも厳しい物があると理解すべきです。
ハイバンドは、たとえば28MHzですと波長10mですので、1/4程度の長さはあるのでまぁソコソコの動作はするだろうと考えていいと思います。
実際に当店に設置したアンテナ郡の中でCPVU8とその他のビームやロータリーダイポールなどと比較してみますと、
周波数(運用バンド)が低くなるに連れて性能差がはっきりすると言ってもいいと思います。
7MHzでロータリーダイポール(NAGARA・TV-416J水平設置)ではRS59で聞こえている信号がCPVU8ではRS53と言う事もあります。
ただしコレは一例であって、相手との距離やコンディションの状態で様々な結果が出ますのでコレがすべてではありません。
またこの比較テストには水平偏波と垂直偏波との違いも大きく出てくると思います。
CPVU8の場合は、各バンド用の短縮コイルが水平に設置されるので、輻射成分は完全な垂直偏波ではなく水平成分も含まれてるとは思いますが
こうやって比較や能書きを書けば書くほどややこしくなってくると思います。
最初に『期待度』の問題と書きましたが、はっきり言って特にローバンドではフルサイズのダイポールにCPVU8が勝ることは無いでしょう。
でも、考えてみればモービル局は1.5m~2mくらいのCPVU8よりさらに短いアンテナで7MHzの運用を楽しんでいる方も多くいらっしゃるんです。
3.5MHzだってモービルに3mほどのアンテナを付けて走行してる人はまず居ませんよね。
だったら車より高い位置に設置したCPVU8の方がモービル局より条件は良いはずです。
CPVU8でDXQSOも可能です。
しかしタワーの上に大きなビームアンテナを乗せた局のように強くないのは理解できるでしょう。
どうしても大きなアンテナが上げられない、スペースの関係でマスト1本しか設置できないけどHF~430まで多バンドに出たいとなれば選択肢はこの手のアンテナになりますよね。
一時期よく売れたブロードバンドアンテナも選択肢のひとつだとは思いますが、わたしの考えは「同調してないとダメ」だと思ってますので、わたし的には却下となります。
(ブロードバンドアンテナは非同調型アンテナです。)
よくわかったようなわからんような事をダラダラ書きましたが、決して使い物にならないアンテナではございません。
フルサイズダイポールや3エレ、5エレなどのビームと比較するのに無理があるんです。
コンパクトアンテナはどうしても短縮率が高く、特にローバンドではSWRの最良点がピンポイントになります。
7MHzバンドの端から端までなんてとても無理な話です。
無線機にオートチューナーが付いてるからって言っても、コレは無線機を壊さないようにごまかしてるだけなんで実際にアンテナが同調してるわけじゃないから送受信性能は最良点に比べて劣ります。
アンテナの調整だって短縮率が大きいほどシビアな調整が必要で難しくなります。
コンパクトアンテナを理解して使えばきっと満足できるアンテナになるはずです。
コンディションの良い時期でHFハイバンドなら思う存分遊べますと言っても過言ではないと思っています。
ちょっと高価なので「試してみるわ!」と安易に買える金額じゃないですが、HF運用を諦めないでぜひチャレンジしてみてください。
当店ではCPVU8を実際に設置してますし、ちゃんと無線機をつないでいますので運用していただくことも可能です。
(この場合は従事者免許をお持ちいただき、当店のクラブ局 JE3YUI で運用いただきます。/ご自分の無線機持ち込みも可能です。)
アンテナの選択にお悩みなら是非一度ご相談くださいね。
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